事務所・住宅・物販店舗などを飲食店に変えて開くとき、建築基準法の用途変更(確認申請)が必要になることがあります。要否は3つの条件で決まり、外すと「無確認建築」=違反に。ここでは開業者と不動産・内装のプロが物件を見極めるための判定と落とし穴を、条文の原典で"引ける"形にまとめました。
音声で基礎から知りたい方は講座「用途地域と用途変更」へ。このページはその実務判断の深掘り版です。
要 確認申請が必要 不要 確認申請は不要(※建築基準法・消防法への適合は別途必要)
※特記のない行は「変更部分が200㎡超」を前提。200㎡以下なら確認申請は不要(遡及・消防は別)。
| 転用パターン | 確認申請 | ポイント(原典) |
|---|---|---|
| 事務所 → 飲食店 | 要 | 事務所は非特殊→飲食店(特殊)化。200㎡超で要(法87条→法6条1項一号)。200㎡以下なら不要。 |
| 住宅(戸建・共同)→ 飲食店 | 要 | 同上。空き家・古民家の転用で最頻出。200㎡以下なら確認申請は不要(遡及・消防は別)。 |
| 物販店舗 → 飲食店 | 要 | 物販(令137条の18・第八号)と飲食店は"類似"ではない=免除なし。200㎡超で要。 |
| 倉庫 → 飲食店 | 要 | 倉庫も特殊建築物。飲食店化+200㎡超で要。既存不適格の遡及に注意。 |
| 飲食店 → 飲食店(居抜き・業態違いも) | 不要 | 用途は同じ「飲食店」=用途変更に当たらない。※施設基準・消防・内装制限は別途確認。 |
| 変更部分が200㎡以下(用途を問わず) | 不要 | 特殊建築物でも200㎡以下は確認申請不要。ただし避難・排煙等の規定や消防は別。 |
| 飲食店 → 事務所 | 不要 | 変更後が非特殊建築物のため不要(消防・貸主承認等は別途)。 |
| 飲食店 → 料理店(接待あり・風営) | 要(要協議) | 「料理店」(令137条の18・第十号)は飲食店と別区分。接待を伴う業態は風営法も別途。行政で判断差あり、事前協議を。 |
用途変更や増改築の確認申請では、その建物がもともと適法であることの確認が前提になります。検査済証の有無で、進め方と難易度が大きく変わります。
| 状況 | 進め方 |
|---|---|
| 検査済証あり | 法適合の出発点がそろっている。比較的スムーズに進む。 |
| 紛失しただけ | 特定行政庁の台帳記載事項証明で代替できることがある。 |
| そもそも無い | 平成26年7月の国交省ガイドライン(指定確認検査機関を活用した「建築基準法適合状況調査」)に基づき、現況が法に適合するかを調査して手続きにつなぐ。時間・費用がかかるため物件選定時に必ずチェック。 |
Q. 事務所を借りて飲食店にします。用途変更は要りますか?
A. 事務所は特殊建築物ではないため、飲食店(特殊建築物)へ変えると、用途変更する部分が200㎡を超える場合は確認申請が必要です。200㎡以下なら確認申請は不要ですが、避難・排煙などの規定や消防の手続きは別途かかります。
Q. 前も飲食店だった居抜きです。用途変更は?
A. 用途が同じ「飲食店」なら用途変更に当たらず、確認申請は不要です。ただし保健所の施設基準・消防・内装制限は別に確認が必要で、検査済証や図面がそろうかで工事の難易度が変わります。
Q. 物販店舗を飲食店にします。「類似の用途」で免除されますか?
A. 免除されません。類似の用途は令137条の18で定義されますが、そのグループに一般の飲食店は含まれず、物販店舗と飲食店は類似の用途になりません。200㎡を超える場合は確認申請が必要です。
Q. 「2槽シンク義務」のように、用途変更にも決まった数値ルールはありますか?
A. 用途変更の要否は「特殊建築物か」「200㎡超か」「類似の用途か」の3点で決まり、金額や"槽数"のような固定値ではありません。なお類似の用途は現行では令第137条の18に定義され、古い解説の令137条の17は2019年改正前の番号です。
最終更新:2026年7月7日
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